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Africa!

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2013年10月31日木曜日

牛の夜鳴き〔CampSite(72km from Helmeringhausen) →C27→ Betta 〕

C27(Helm. to Betta): Gravel road, sandy and bumpy,worse than C13 but not so bad.
You need to fasten your bags and so on in order not to loose your stuff with vibration by a lot of bumps.
A tour guide told me that road C14 is better than C27 and takes you to Sesriem faster while the way is longer.

Betta: Camp site NS200, Shop open 8-17

今日は昨日の疲れで8時半まで寝てしまった。
朝方は寒さで目が何度か覚めたくらいで、日本の秋山を思い出し、落ち葉の香りが頭をよぎった。
そういえばもう三年落ち葉の香りを嗅いでいないのだなぁ。
大学構内に植えてあった桂の樹の落ち葉の香り(落ち葉というより木そのものが香っていた?)が好きだった。あの甘い香り。

泊まった場所から先はかなり頻繁に砂溜まりに出くわし、自転車から降りる羽目になった。
途中地図にも記されていないような小さな町があった。
ここは観光の町というよりも、小さな牧場を中心にしている町で、これまでの町と雰囲気が少し異なった。
ゲストファームなので実際に泊まることもできるのだろうが、メインは牧場なのだ。
山羊や真っ黒な羊がたくさんいる。
茶牛もいる。
そして何より、そこに生活している人が多くいた。
自転車で訪問した少しおかしな客を遠くから見ている。

私が見ると、家の中に隠れてしまったりする。
中学生くらいの女の子が出てきて「写真を撮って」と言ってくる。
何枚か撮ると、「どうやったらそれをもらえる」と聞いているらしい様子が窺えた。
というのも彼らはアフリカーンスを話すので言葉は通じない。

私が英語で「もしもメールアドレスか郵便アドレスがあれば送れるよ」というが、あまり通じなかったようで、あきらめたようで苦笑いしながら去って行った。






















一匹の山羊が私の自転車に近寄っている。

どうやらフェルドリフ(南ア)から一緒のボコム君が気になるようだ。
「おいおいお前は草食系だろ、君の食べるものでないよ」
と追い払おうと近寄ると、番犬が出てきてフェンス越しに吠えている。しかも絵に描いたようにかなり強そうなやつだ。
町は歩いてもいいが、俺の家畜に手を触れるんじゃねえぞ、と言ったところか。
山羊が私から離れていったら犬も引っ込んだ。
ゲストファームの庭で働いていた男性に声をかけ、少し話してから、
この先の道はどうかな、と聞くと、
「すまないが英語があまりわからないんだ」と謝ってきたのには驚いた。
というのも今まで私はアフリカーンスを話せない自分を責めていたのだから。
その国や地域の言葉がわからない場合は舌打ちされて軽くあしらわれてもおかしくない。
実際南アで働いていた時はそういうことがあったし、常にそこの言葉を話せない自分を責めていた。
だからとても意外だった。
とても腰の低い人だったのだろう。
でもよく考えたら、日本人も日本で外国人に英語で話しかけられたら「ごめんなさい、私英語分からないの」と言うか。
「なんでテメェは日本語を話せねーんだ」とはならないよな、、、と考える。

この小さな牧場町はおそらく長い間閉鎖的な環境で存続してきたのだろう。
白人が経営する牧場で雇われているカラードの人々。
立派な白人の家が一つあって、その周りにそこで働く有色人種のつましい生活が形造られる。
その関係が何世代にも渡って引き継がれ、まるで世界から取り残されたように残っているようだった。

ベッタに着くとさっそく観光客に囲まれる。
オランダからの御一行様だ。
皆カメラを持っているのでさながら有名人になった心持ちで少々照れくさい。
しばらく撮影会と色々なインタビューがあった後は釈放の身となり、ようやく飲み物を買いに行ける。
誘惑に負けビールではないが、ビールのサイダー割りSavanaを飲んでしまった。

これが意外に酔わない。すぅっと体に入っていき、どこかへ消えてなくなってしまうかのようだ。
途中で落として失くしたレーズンの後を埋めるかのように新たにレーズンを買った。
美味い。
日本にいたころはレーズンというのはあまり好まなかった。
なんだか見た目もしょぼくれているくせに味も甘ったるくてどうも好きになれなかった。
子供のころはばあさんの乳首だなんて言ってバカにしていたが、今この体力を極度に消耗する中で大変貴重な食料になっているし、何よりも甘みの中にわずかに酸味が隠れていて大変美味だ。
だからと言ってばあさんの乳首が好きになったというわけでもないので誤解のないよう願いたい。
(世のお婆様方、決して悪意があってのことではないので悪しからず。きっとサクランボの砂糖漬けくらいに透き通って立派なものだと思っています)


ベッタもたくさんの家畜を飼育しており、牛やヤギ、ヒツジなどがいた。

風力発電やソーラーパネルも揃っており大変近代的な感じを受けたが、シャワーは「ドンキーシステム」と呼ばれる薪で焚くスタイルだ。

シャワーを浴びようとして蛇口をひねると水しか出ないので、キャンプ場の人に
「ここは水しかでない?」
と聞くと、
「うちはドンキーシステムなの、今から沸かすから少し待ってね」(もっとそっけないけどね。。。)
と言って沸かしてくれた。
その待っている間、暇になったので洗濯をし、周りをフラフラ歩いているとキャンプ場の裏手に小さな家庭菜園と果樹園があった。
日差しが強すぎるので日よけのネットをしてあるが、あまりよく育っていない。
ヘルメリングハウゼンもベッタも、ソリテアもどこも野菜や肉を手に入れるのが難しいせいか小さな牧場や農園を持っていた。
ただセスリムだけは例外に新鮮な野菜や果物がそこまで高くない値段で手に入った。
観光地として確立されているだけに物流がしっかりしているのだろう。

アウス以降の町は人が住むような町ではなく、観光の町で物価が高い。
いわゆるお金を使う観光というスタイルをしていない私には合わない町ばかりだ。
しかしナミブ砂漠のあの砂丘をこの目で見たい!あの雰囲気を感じてみたい!ただそれだけのために、このデコボコ砂道に耐え、
皆がじゃんじゃんお金を使っているそばで、いかに節約するかを考え、惨めな思いをしている。
しかも本来見たいアフリカ人の生活や価値観を見ることもできずヨーロッパからの観光客と話す毎日。
もちろんそれはそれで面白いのだけど、本来の目的から外れるので今後はもういいかな、と思っている。
動物がたくさん見られるエトーシャ国立公園や三大瀑布の一つビクトリアの滝もよらない予定だ。
自分に言い訳しようとあれこれ考えた答えが、今じゃなくても見ることができる、だ。
あ、ただヒンバ族は今後文明の生活に浸食されて消えて言われているので、会いに行こうと思っている。
惜しげもなく露わにされているおっぱいがいっぱいある風景も感じてみたいし。

少し時間ができたので振動でスポークが緩んでタイヤが歪む。
ちょっと修正。
結構緩んでいてびっくり。侮れぬ振動くん。


さてベッタの夜だが、非常にうるさかった。
牛が夜鳴きするのだ。ウー、ウ~と。
お前らはモーモー鳴くんじゃなかったのと言いたい。



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