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Africa!

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2013年10月18日金曜日

南アでビジネスチャンスを拾う中国人

キャンプ場のオーナーに日本人が他にも来ているよ、と昨日から言われていたので今日会いに行ってきた。
少しだけ久しい日本人と何を話そうか、ワクワクしてドアをノックすると、そこに立っていたのは、
見事に日本語を話さないアジア人だった。中国人だ。
やはりこっちの人にとって日本人だろうが中国人だろうが、東アジア一帯の人間はどれも一緒なのだろう。
彼はまだ英語もほとんど解さない。困った中国人を助けるように南ア人(ペディ人:パセリと一緒)が出てきた。
期待をそがれた感じで挨拶だけして帰ってきた。
でもよくよく考えると、彼らはどうやってコミュニケーションをとっているんだろう、と気になってきた。
気になりだしたら止まらない。何をやってもそればかりが気になる。

Namakwaland(西部北ケープ州)特産の安いドライワイン(白の味だが色はブラウン)である怪しいお酒、デイジーと、塩田の町Velddrifで買って旅のお供をずっとしている生臭いBokkom(干し魚)を持って訪ねてみた。
再び戸が開いて例の中国人が出てきて困惑した感じで、誰かを呼んでくるから、と手振りで言った。
そして現れたのは歯切れのよさそうな若い白人男性。
隣でアフリカーナー(オランダ系南ア人)が盛大に爆音鳴らして誕生日パーティーをやっていたのでその一味かと思ったら、隣は別のグループだという。

怪しいアジア人に対しても極めて気前よく部屋に上げてくれた。
まず机に向かってパソコンをいじっているいかにもアフリカーナーという感じの恰幅の良いおじさんが目についた。
さらに奥へ行くと、ベッドの上でパソコンをいじっている黒人男性が二人。
一人は先ほどのリンポポ州出身のペディ人で、もう一人はクワズールーナタール州出身のコサ人。
さすがRainbow Nationと言われるだけあって、いろんな人種が一つの部屋に収まっていた。
話を聞くと彼らは在南アフリカの中国系通信企業で働くチームだった。
だから中国人の彼も加わっていたのだ。
Cell Cという電話やインターネットの電波塔を建てるのを生業としている一味だ。

で、ようやく気になる質問「どうやって英語を解さない彼とコミュニケーションをとっているの?」
に対して若い白人はそんなの簡単さという感じで中国人の肩を叩きながら言った。
「これでいい?ダメ?」
これさえわかれば仕事はできるという。
ちゃっかりじゃれあっている様子で、なかなか楽しそうな関係であった。
しばらく彼らと話してから自分のテントに戻った。
あ、書き忘れたが彼らはドミトリーに泊まっているからベッド付きなのだ。

テントに入って、薄暗い中いろいろ思いを巡らせていると、英語を話せる中国人が帰ってきたというので、先ほどの中国の彼と一緒に呼びに来てくれた。
「帰ってきたから一緒に呑もう!」と。
もう一人の彼は一応このチームのリーダー格っぽい立場の方で、
英語も私と同じくらい話せ、給料を上げなきゃなぁとか話していた。

彼は中国の田舎から出てきて今はケープタウンに住んでいる。
今は奥さんもこっちに来ているそうで嬉しそうに話してくれた。
彼はすでにモザンビークやレソトなど南部アフリカのいくつかの国で仕事をしてきていた。
南アの各地にも行っており、そこでの体験談を語ってくれた。
レソトの話が印象的だった。
レソトと言ったら山国で、頂には雪が積り、南アのミネラルウォーターの供給源である。
そのレソトではなかなか水が手に入らなかったと話していた。
てっきり私は水はジャブジャブ日本のように溢れているものと思っていたが、水は外資獲得のためで国内にはあまり溢れていないようである。

中国にもたくさん企業があるが、それは一部の人たちが関われるのみで農村出身者にはなかなかチャンスはない。
都会に出てきても狭い部屋に押し込まれ、安い賃金で使われるだけだ。
彼は南アに来て思う存分やっている。
休日は南アのワインを嗜み、美味しい料理を食べ満喫している。
彼らにとってアフリカはとても魅力的な場所に映っているようだ。
アフリカでの中国の躍進はすさまじいものがある。
私の働いていた田舎町のモールにある商店は私の任期中に半分近くが中国人にとって代わられていた。
後で書くキャンプ場で知り合ったナミビアで農場を経営していた夫妻は、ナミビアは中国人にとって代わられ始めていると漏らしていた。
南アの外れの小さな町に行ってもたいてい一人は中国人が店を経営している。
彼らのエネルギーとビジネスセンスは称賛に値する。
結構英語の話せない中国人が店を持っていたりするが、これは英語が対してできなくとも十分にやっていけることを示している。
(もちろんその背景には中国人同士の強い結束と相互扶助があるのだが)

こういったビジネスを通しての方が南アの場合効率的な支援ができるような気もしてくる。
アジアよりもアフリカは実益が求められているような気がするのだ。
それでも中国のやり方がいいか、というとそうではないのは色々なところで取り上げられている。
中国は各国で得た利益を還元しないから、結局中国の独り勝ちになっている。などだ。
先日お世話になったNuwerusのキャンプ場のKobusさんも似たような点を指摘していた。
中国企業は全部中国人を使い、南アの企業や交通機関を利用しないから、中国企業だけが育って南アの企業や経済は潤わない、と。
そういう厳しい状況の中、アフリカは発展していかなければならにから大変だ。


もう一つ部屋にいた三人の南ア人は父親を知らない。
兄弟もどこにだれがいるのかわからないという。
それでも知っている数だけを聞くと、5人、7人、10人と子だくさんの家庭で育っている。
南アでも中国の一人っ子政策は有名で、「日本もそうなの?」と聞かれる。
父親がいなくても子供がたくさんの南アと、父親と母親がそろって子供一人の中国。
そして父と母がいても子供を持たないこともある日本や欧米。
本当にいろんな家族の形態があるから面白い。

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