初夜だというのに腹を壊してしまった。何にあたったかは候補がありすぎて分からないが、夜中隣で寝るウィットニーを置いて4回もトイレに駆け込んだ。トイレはシンプルなもので、大きな穴の上に便が通過する穴をあけたコンクリート板を乗せ、壁と天井を付けただけといった感じだ。部屋の中にトイレを作ったというよりもそういう表現の方があっている気がする。ベッドの中でやばい、くるぞ!と感じた私はヘッドランプを付けてトイレに向かう。不思議にもトイレの住人は不在だ。長らく入居者がないと見える。ゴキブリの世界にも優良物件とそうでないものがあるのであろう。そんな寂しいトイレの穴に尻を突き出し、思考の深みに落ちていく。体が起きているだけで頭は半分眠っている。何を考えていたのかは覚えていないが、腹痛でもがきながらも色々なことを考えていた。コンクリーの床が外れたら嫌だなぁ、とかいらぬ心配もしていたと思う。あ、そうそうトイレの壁の染みだ。その一つ一つの歴史に思いを馳せながらトイレを思っていたのだった。きっと歴代の哲学者たちもトイレに籠って思索にふけっていたに違いない。
朝になるとケロリと治っていたので初夜のストレスからくるものだと思う。
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