You can add water in your bottle at the construction camp near the Tropic of Capricorn.
今日はどうせ道端宿だが行けるところまで、が目標。
旅好きなキャンパーらと少し会話を交わし、ささっと飲むヨーグルトとクッキーを取り、出発。
はじめの数キロが比較的走りやすかったので「お、楽勝か?」と思ったが、そんなはずはない。
タイヤが作る規則的な凹凸に加え砂が多く、途中20kmくらいの距離は乗ったり下りたりで忙しかった。
水も初日で18リットル積んであるので砂にタイヤを取られるときつい。
降りて牽くが後輪が埋まってなかなかの重労働を強いられた。
ここで南回帰線を通過する。
特に何があるわけではない。何もおめでたくもない。リンボーダンスをしてくぐろうと思ったが、くぐるものがない。
丁度そこに道路工事のためのキャンプがあったので日陰を借りて一時間避暑昼寝。
風に吹かれて気持ちよかった。
と同時に連日の疲れが出てきているな、と感じる。
途中団体観光客が乗ったサファリカーみたいなのが近くに止まり、この薄汚れた珍獣を見て喜んでいた。
みんなi-Phoneみたいなので一生懸命許可もなく写真を撮っていた。
分かりにくいかもしれんが私は人間だぞ、君たちと同じだ。
確かにこの辺は草食動物ばかりで飽きていたとはいえ、珍獣になった気持ちは良いものではなかった。気持ちはわかるけどね。
地図にGaub Passとあったので峠かと思ったら、谷底のPassだった。
こっから谷底へ下っていく。
年に数回降るか降らないかの雨が一挙にここに集まって短時間で造ったのであろう。
深くえぐられた谷が壮大だった。
今は乾季なので水の気配は全くなく、数頭の馬が谷底で草をはんでいた。
そこからもとの高度への上り返しが急でなかなかきついが距離はないので大したことなかった。
峠を越し緩い下りに差し掛かる。
日も暮れはじめ、前方の山が赤く色づき始めた。
もう少しいけるかな、と走っていると昨日パンクした後輪の空気が再び音を立てて抜けはじめた。
砂に隠れた石を踏んだようだ。
仕方ないので今日はここで泊まることにした。
まぁ景色は違えどどこも同じようなものか。。。
砂漠を吹き抜けてきた南西の風は日中は乾いて熱風となるが、
ひとたび日が暮れると程よく涼しい風となる。
宇宙が透けて見えそうな青空に久しく雲の姿を見る。
日本でいう秋の雲だ。あぁ、ススキが見えてきた。
東北には雨雲も見える。
ずいぶん環境が変わってきてるのを感じる。
夕食を済ませ寝る準備をしていると、車の音が聞こえたのでライトを消してできるだけ気配を消した。
しかし車は止まりバックしてきた。
お、ここまでか。ここで身ぐるみはがされてしまうのか。それは残念だ。と半分観念しながら身構えていると、
子連れのカラードのおっちゃんが出てきた。
サーチライトのようなまぶしいライトを子供が照らしている。
これで見つけられたのだ。
彼は小さな農場のオーナーでこれからスワコップムンドに仔牛を売りに行くという。
少しずつ牧場を広げていくんだ、という夢を語る彼の眼はこの乾いた土地の星に負けないくらいの光を放っていた。
奥さんに逃げられ娘二人と息子と暮らす彼は、こればかりはしょうがない、ただ祈って待つしかないんだ、と強い信念と希望を持っていた。
息子が動物には興味がなく車ばっかりいじってと愚痴るオヤジさんの姿は「北の国から」の北村家を彷彿させる。
そんな苦労をしながらも、
うちの井戸水は旨いんだ、と飲ませてくれる、
うちの娘は動物が好きで、と頭を撫でる、
うちの牛は艶がいいんだ、と荷台に積んだ牛を見せてくれる、
そんな彼は活き活きしていた。
今日は猫目の月、これから月が肥えていく。
猫目の時は月が太陽に近いからあっという間に御隠れになってしまう。
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