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Africa!

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2013年11月2日土曜日

日本人と出会う〔Campsite (83km from Betta) → Sesriem〕

C27(from the CampSite last night to Sesriem): Gravel, bad, sandy and bumpy, you have to get off your bicycle and push it in some parts of the way.
CampSite: Everywhere you want you can get a water at a toilet on petrol st. 
but I think you would better to stay at proper camp site because Sesriem is Tourist place. 
Campsite outside of the gate(at ENGEN): Usually NS150 for Campsite + NS125 p.p., 
but when you negotiate or ask the owner of that stand it might be NS115 with his favor at different campsite.
Shop by ENGEN: There are lots of kinds of foods(ready-to-eat) and drinks. Also rather fresh veges & fruites are available with afordable price.
Campsite inside of the gate: NS140(In oreder to arrive at Dune 45 before sun rises up you have to stay inside of the gate)
Park permission: NS80 at the reception of camp site




土が赤くなってきた。霜降り牛かもしれない。


曲線が美しい。


長い年月が描き出す曲線の数々。

相変わらず道は悪い。手押しの道が続く。
途中バナナをもらった。バナナがこんなに旨かったなんて、露知らず。
その甘さと独特ネバリに舌鼓を打ちながら、昔バナナは高級品だったという話を思い出した。
昔の人は日本にはなかったその独特な触感にさぞ感動しただろう。
そしてそのエキゾチックな甘さにも。
今はバナナが一本30円くらいで手に入る。
そしてヨーグルトやチョコレートに絡められて食べられてしまうほど地に落ちてしまった。
すでに単独では役不足になろうとしている。
しかし私はバナナの旨さを再発見した。
とにかく久しぶりの生もの、果物に私は喜んだ。

水は十分あるのでもう一日かかってもいいのだが、今日中にはセスリムに着きたかった。
しかし急ごうにも友人の車輪が砂と戯れなかなか言うこと聞かぬ。
途中タイヤが破裂して履き替え中の老夫婦に出会ったが、
君はカイロに向かうんだろう?とズバリあてられた。
今までにも何人もの私のような人を見てきたのだろう。
ずいぶん旅慣れた人のようだった。

道は悪く歩いてばかりだが、歩くとは意外に進むもので着々と進み、セスリムに14時には着いた。
町の入り口にはガソリンスタンドがあり、町の中は高いだろうと思い、そこで買い物をすることにした。
入ってみると先ほどのあの黄金に輝くバナナが山積みになっているではないか!
飛びついた。
そしてその隣には少々濃い黄金色のオレンジが輝いている。
さらに頬を赤く染めて神々しく輝くトマトも!
今度はずいぶん青ざめて伸びてしまった、髭剃り残しのキュウリが!
もうすべての野菜と果物が食べたくなってしまった。
しかも値段が思ったほど高くない。
トマトに至っては(これを打っている)ナミビア第二の都市スワコップムンドよりも安い。
そしてサンドイッチも安かったので買ってしまった。
さらにもちろん冷たい飲み物も。
あぁ、私はこのために走っているのかもしれないと錯覚してしまう(違うと信じている)ほどに、幸せを感じていた。

一人の黒人がガソリンスタンドのテラスでコーラを飲んでいたので、席を同席させてもらった。
彼は旅行のガイド兼ドライバーをしているボツワナ人でイノキという。
「日本の旅行客にも随行したことがあるが、もう毎日いろんな言葉が飛び交っているので少し覚えた日本語は忘れた」と言っていた。
「日本語で名前を書いて」というので、
「猪木」という字を紙に書いて渡す。
「この名前は日本の有名なプロレスラーの名前でもあるんだな、これが」
とどうでもいいことをぼそっと言ったが、
「ふーん」と言って特に喰いついては来なかった。ぼそっと言ってよかった。
彼はドライバーでいろんな国を回ってきていたのでこれから行く町のこと、道のことをいろいろ教えてくれた。

セスリムの町から砂丘のある場所までは最低でも45km離れている。
そしてゲートが二つあり、外のゲートと内のゲート(砂丘側)の間にキャンプ場がある。
外のゲートと内のゲートの開く時間が異なり、内のゲートの方が一時間ほど早い。
そのため外のゲートと内のゲートの間にある国営のキャンプ場に泊まったものだけが、
砂丘が最も美しく見られる日の出の時間に間に合うという仕組みだ。
何とも厭らしいシステムだと思いながらも、観光地だから仕方ないかと納得。
そして受付の時に「自転車で行きたいのだが公園内で泊まらせてくれないか」と聞くも、もちろん「No」と言われた。
決まり事なのだから仕方がない。
今日中に内側のゲートをくぐり、砂丘まで行き「帰れなくなっちゃった」戦法を使うか、、、と心中思っていると、受付のお姉さんが「まさかあなた自転車で砂丘に登らないでしょうね?」と聞かれた。
「何年か前に日本人が自転車で登って、大ヒンシュクだったのよ!」笑いながら言うので、
「いやぁ、まさか!そんなことしないよ」と言って去った。
あぁこれで向こうで泊まってなんか起こすと「また日本人か」と日本人を貶めることになるので、心が揺れた。
私は日本人の名誉のために向こうで泊まるのを止めた、ということにしておこう。
それでも最後の悪あがきで、シュラフを持って内側のゲートに向かいゲートのおじさんを探ってみた。
答えは「断固としてノー」だった。取り付く島もなかった。
仕方ないので今日行けるところまで行って何かしら見られればいいかな、と思って夕暮れの舗装道路(セスリムから砂丘までの区間だけは舗装されている)を爽快に走った。
そして明日の朝はヒッチハイクで捕まえられればラッキー。捕まえられなければ、自転車で行って、つまらないのっぺりとした砂丘の写真を撮って帰るか。。。と。

夕暮れになると風が出てきて涼しくなる。
しかし砂漠と言ったら夜は寒いというのとは異なり、セスリムは寒いというほどではなく快適なくらいだ。
園内に入ると早々に一頭のスプリングボックがお出迎えだ。
あいつったら面白いんだ。
こっちが遅いってのを悟ると、人をおちょくるように飛ぶんだな。
ぴょーんって空中で追われているスリルを味わっているかのように滞空時間を長くとる。
またそれが楽しげなのだ。
高校の同期に似たような感じで飛び回る奴がいたなぁと懐かしみながら私も観賞させてもらっていた。
しばらく行くとオリックスも出てくきた。
相変わらず、私の様子を見ながら草を食んだりしている。

そういえば私の自転車はオリックスの色合いに似ている。
なるほど、似ているがために親近感があるのか。
角や目鼻立ちがカッコいいし。
スプリングボックは間抜けでおっちょこちょいな感じがするが、オリックスは気高く気品がある気がする。
単独でいるのをよく目にするせいか孤高の旅人みたいだ。
ゲド戦記のハイタカのイメージにぴったりだ。
黄金色の夕日で満ちた丘の足元に一頭のオリックスを見つけた。

その立ち姿と言ったら獅子神様に匹敵するかもしれない。
夜になるとディダラボッチになって砂丘を動かすのだ。
だから砂丘は日々その形を変える。
昔の日本人が砂丘に住んでいたらそう考えていたかもしれない。

草が少々生えているが砂丘が見えた。
いい感じで光と影が分かれている。
でも満足いかない。明日何とかして朝の澄んだ光の中、光と影の織りなす造形を拝んでみたい。

日が丘に沈み遠くの山々が色づく。
ダチョウも1km位離れたところを寝床にダッシュしている。

いや、私から逃げているのか。。。

気持ちの良いクールランを終える。
ゲートが閉まるのは20時だが、すでに辺りは暗い。
どうせ誰もいないからランプを出さないでいいか、と真っ暗な中走っていた。
道路の凹凸は見えないが、来るときにすでに完璧に整備された道路であることは確認したので見えなくても平気だ。
ところがどっこい。暗がりのブッシュからスプリングボックが道路に飛び出してきた。
寝ようとしていたところをびっくりさせてしまったらしい。
危害を加えることはないと思っていてもこれにはびっくりした。
ゲートが閉まる20秒前に到着。
ところがすでにゲートのおじさんはおらず、たぶん向こうで泊まってもだれも気付かずに終わっていたに違いない。

さてテントに戻る。
受付嬢が私に気を使ったのか、他の客に気を使ったのか私には知る由もないが、私の周り200mくらいにはだれもいない。
私に気を使ってくれたものと信じたいが状況がそれとは反対のことを示している。
私のキャンプサイトからトイレやシャワーを浴びに行くには歩いて10分弱かかる。
予約をしなかったかららしい。
道の反対側が正規のキャンプ場で、こちら側は混雑時の臨時キャンプ場だった。
受付の時、正規のキャンプ場は予約で埋まっているから臨時の方に泊まってくださいと言われた。
ところが夜シャワーを浴びに行くと正規のキャンプ場には空きがたくさんあった。
少し腹が立ったので、キャンプ場のおっちゃんに皮肉の一つでも言ってやろうかと、
バーに顔を出すとなんと日本人らしい方がバーのおっちゃんと話しながら白ワインを飲んでいた。
この乾いた気候に白ワインはさぞかしうまそうに見えた。
まさしく日本人だった。久々の日本の空気に勢いよく話してしまって少し鬱陶しかったかもしれない。
大変失礼なことをした。 
しかし彼は極めて穏やかに対応してくれた。
彼はインドはムンバイで日本と現地企業の合弁会社で働いており、飲料の販路開拓などに勤しんでいる。
海外で働く苦労話や今まで行った国の話をしてくれた。
すでに60か国も行っているベテランの旅人だ。
しかし今は働いているため、上手く休暇を利用し、アフリカ各地を回っているそうだ。
今回も4泊という忙しい日程。
飛行機やレンタカーをうまく利用しナミビアを回る彼が大変スマートに映って格好良かった。
それに比べて私は泥臭く地を這うような旅だ。
いつか私も彼のようにスマートに旅ができるようになるのだろうか。それが心配だ。
まぁ今やっている旅も今しかできない。最大限楽しもうと思うが。

その彼もちょうど明日砂丘を早朝に見に行く、ということだったので、私は早朝ヒッチハイクをしなくて済むことになった。
5時にゲートで待ち合わせて床に着いた。

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