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Africa!

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2013年10月10日木曜日

花の香りに突っ込んで

Yzerfontein → Velddrif → Dwarskersbos(Caravan Park R149 p.n.)


Yzerfonteinからもとの道に戻る間はピンクの花が咲き誇っており、花の楽園だ。

柵の向こうをダチョウが自転車に負けじと走っている。
ダチョウって意外と速い。本気出されたら自転車じゃ勝てない。
各所で咲いている花が異なるためか、走っていると空気の匂いの違いを感じる。
これは車では得られぬ自転車の特権だ。わーい。
まるでフワフワした匂いの塊のようなものが道上に転がっており、そこに突っ込んでは出ていくイメージ。
ぽふっ、ぽん、ぽふっ、ぽん、ぽふっと。
杏仁の香りがしたり、針葉樹のような香りがしたり、土の香りがしたり。
そんな幸せも車が通ると掻き混ぜられ、さらに排ガスの臭いをまき散らし壊される。
やってくれるぜー。
でも車がなかったらこの素晴らしい道もないんだけどね。


追い越していく車、向かってくる車、1割くらいがそれぞれの仕方で応援してくれる。
クラクションを鳴らす人(鳴らし方もガンガン鳴らす人と軽くぷっと鳴らす人がいるから面白い)、
手を振ってくれる人(ハンドルを握りながら軽く手を振ったり上げたりする人と両手を放して全力で振ってくれる人)、
ガッつりスピード上げて抜いていく人(私にとってはこれも抜けるもんなら抜いてみろという応援だ)、
止まっていると向こうも止まって話しかけてくれる人。
そしてまた元気をもらって足に力が入る。

Velddrifは塩の町。
町へ入るところは塩田が広がる。うず高く積まれた塩も見える。
とその塩田にフラミンゴが!
初めて野生のものを見た。

花の香りに混ざって潮の香りというか少し臭い魚の香りがしてくる。
十字路の一角で干し魚(Bokkomボコム)がずらっと吊るされた露店を見つけた。
アフリカの干し魚というものに吸い寄せられフラッと寄ってみる。
アフリカンママらしい大きな体のおばちゃんが吊るされた魚の裏に座っている。

白人であるが、強い日差しのためか、きれいな小麦色に焼けている。
こっちの白人でも比較的色が濃い。
洋服の鮮やかな青とアイラインの青がマッチしている。
以前南アフリカで買ったぽっちゃり好きのための土産のマスコットに似ている。
道を聞いたらとても詳しく何度も教えてくれた。
Bokkomは生臭さは強いが、塩がきいていて、汗をかいたときにはもってこいだと思い、旅のお供に買った。
こっちではナルチェスと呼ばれているミカンも買った。

西海岸(West Coast、WesKusと呼ばれる)は英語が主要言語ではなくなりアフリカーンス(オランダ語起源の言語)が主要言語になる。
今日泊まったDwarskersbosで出会ったおじさんは英語が全く通じなかった。
アフリカーンスの言語帳を持っておくべきだったと少し後悔した。

すぐ近くのLaaiplekでは白人の子供に二回も挨拶され驚いた。
南アに来て白人の子供に挨拶されたのが初めてだったからだ。
西海岸は今まで私が見てきた南アとは何か違う。

Velddrifから海に向かう道で人力車を牽くお兄ちゃんに出会った。

完全な自動車社会の南アで人力車を見たことに感動していた。
やっぱり違うぞ西海岸!
でもこの兄ちゃん、
「水を忘れたんだ、そのみかんをくれないか!?のどがカラカラでもう駄目なんだ」
と言って私の自転車からぶら下がるミカンを指さした。
彼の必死さに押されミカンを差し出していた。どうぞって。

気持ちの良い追い風でいつの間にかDwarskersbosに着いていた。
この町にキャンプ場があるとBokkom売りのおばちゃんに聞いていた。
キャンプ場を探す前に海を見に行った。
またこの町の通りのネーミングがすべて植物の名前だったのが私の心をつかんだ躍らせた。
フリージア、バンクシア、ユリ、エリカ、、、、

海岸線と並行に走る幹線道路から海に出るにはすべてこの植物の名前の通りを通る必要があった。
バンクシア通りを通って海へ出る。
海に面した家は皆窓が立派だ。
毎日、ここから日の入りが見られるのだろう。
海にはベンチがいくつか置かれていた。私のような部外者でも海をゆっくり眺められるように。
砂浜にはムール貝のような深い紫色の貝がたくさん打ち上げられていた。




大きなカモメと小さなカモメ、そしてウミウが波打ち際に集まって夕飯を取っている。
大きいカモメは大らかに餌を捕り、小さいカモメはせわしなく飛び回って、ウミウは潜って餌を捕っている。


ウミウの潜り方がうまい。あんなに軽そうでぷかぷか浮いてしまう体を、いとも簡単につるっと水面下に沈めてしまう。
波間の黒い塊がつるっと消える。そのさまが面白くてしばらく眺めていた。


寝床を探さなきゃならないことを思いだし、もと来たバンクシア通りを戻る。
町の端っこにそのキャンプ場を見つけた。
少し宿泊料が高かったが、まだ様子がつかめていない段階での野宿は危ない気がしたのでここに決めた。


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