色の町
シグナルヒルの麓にあるBo-Kaap。
マレーシア系の人々が多く住む。
この町は坂に密着して建つカラフルに塗られた家々と、石が埋め込まれた道が特徴的で美しい。
これから色付け!?
町の一角に座っていていると、コーランが響き渡る。
道行く女性はトゥドンを被り、男女ともに穏やかに颯爽と過ぎていく。
子供たちは路地という路地ににぎやかである。
ここに住むマレー系の人はアフリカーンス(オランダ語をもとにした言語)を話す。
何か言っているのだが、あまりよくわからない。
英語とアフリカーンスが混ざっている。
それでも子供ってのは不思議でなんとなくコミュニケーションが取れてしまう。
絵を描かせて、と鉛筆をとる。
自転車に乗ってもいい?と言って楽しそうに坂道を上ったり下りたり。
白い帽子に白いカーディーを着た若者が颯爽と私の前を通り過ぎたと思ったら、
「こんにちは!」だって。
続いて「大丈夫ですか?」と。
どこで日本語習ったの?と聞くと「NARUTO」だって。
日本のアニメパワーは侮れない。
しかし、一発で私が日本人であることを見破るとはさすがはアジア系。
しかしすぐその後、黒人の子供には「CHINA、CHINA」と連呼され、お金をたかられた。
アジア系の方が顔のつくりが似ているせいで、中国人と日本人を見分けるのは得意かもしれない。
私自身はじめは黒人の顔の違いが判らなかった。見る人見る人が全部同じに見えたし、髪型が目まぐるしく変わる彼らには翻弄され続けた。
自分の見慣れない顔を見分けられないのは当然のこと。
しかし、見分けられないのと「CHINA」と連呼するのは別だ。
確かに黒人に「CHINA」「ジェット・リー」「チャン、チュン、チョン!」と小ばかにされることが多いのだが、
これは単に黒人の教育レベルが南アにおいて比較的低いからである。
そもそもアジアというものはなく、中国しかないのだ。
日本も韓国も香港同様、中国の一都市に過ぎない。
しかし、彼らの日本人を見たら「CHINA!」にはさほど厭らしさは感じない。
確かに小ばかにしているようにも見えるが、絡みたい欲求の表れでもあるのだ。
あ、中国人がいる! → 絡んでみたいな → なんて声かけよう? → こんにちはってなんていうんだ? → そういえば知らないぞ → どうしよう、どうしよう、
→ CHINA!
ってな流のような気がする。
もちろんそんなたくさんは考えていないのだろうけど、絡みたい欲求から出てくるCHINAなので、私は少しうれしい。
色の町から遠くにビルが立ち並ぶ。
0 件のコメント:
コメントを投稿