ページ

Africa!

...

2014年8月7日木曜日

肉の話

日本にいた時は肉をあまり食す方ではなかった。性格的にもシマウマだったんじゃないかと思う。しかし自転車で旅をしていると無性に何かこうガッツリどっしりしたものが恋しくなるわけで、道中肉だらけ。またこっちは肉が安いんだ。
今日も走り終わると肉を食いたい病が発し、宿に併設された肉屋を覗いてみる。薄暗い中に日本の医者のような白衣に身を包んだ若い男が4、5人何かを調理しながら談笑している。店先にはお決まりのガラス張りのショールームがあり、牛の腿、肋が付いた胴体が3体くらい天井からぶら下がっている。一つだけついた白熱灯がくすんだ赤と白い筋のそれを怪しく照らす。薄暗いのに妙な艶があるから不思議だ。壁にはステーキ肉1kg、Ksh500などと書かれた紙が貼られている。Kg単位というのも日本と違い面白い。
ビーフシチューを食べたいと言うと30分かかるという。あ、ここはレストランじゃないんだ。時間潰しにツリートマト(ナス科でトマトの仲間だと思うが味がパッションフルーツのような気がするパッションを感じさせる果物)を買って食べてから再び赴くと、
てんこ盛りの肉が運ばれてきた。値段を聞いてKsh200と言われ少し高いなと思ったらこういうことか!一緒にスクマ(葉物野菜)が料理されており少し粗い感じの料理だったが、なんとなく肉の脂肪を食べた時にすき焼きを思い出させる不思議な力を秘めていた。それにしてもこっちの肉はどこの肉かわからないくらい筋張っていたり、碎かれた骨に絡みついていたりする。
今まで通ってきた国の主要言語はどれもバンツー語を起源に持つものだった。面白いことにそれらの言語で肉は常にNyamaニャマと言って共通していた。現代では大事な「お金」はイマリやペサとか全く違うのに肉は共通。いかに彼らが肉を重要なものと見ているかが窺える。民族の移動とともに言語は各地で多様な変化を遂げながらもニャマだけは頑なに変化せず伝えられていった。そんなことを硬い肉を噛みながら考えていた。
食べてからは、かの怪しい白衣の若い男たちと談笑したわけであった。相変わらず中国の影響力は強いなぁと感じたが、日本の習慣の話などアジアの隅っこのヘンテコな国の話で盛り上がった。

0 件のコメント:

コメントを投稿