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Africa!

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2014年3月1日土曜日

側溝は皆のもの

空気を入れていると。。。

トゥンドゥーマの町は賑やかだったwith陽気な男

トウモロコシ畑と空が美しかった


あっという間に今年も三月だ。日本は二月に大雪に見舞われ農作物が大打撃を受けたようだが、そろそろ沈丁花や梅の香りで町が色づいてくるころだろう。もう梅の香りを三回も逃してしまった。来年こそは必ずや香ってやろう。アフリカに杏はあっても梅はない。梅干しでも食べて我慢だ。

トゥンドゥーマからはネットで調べた通りアメリカの支援で素晴らしい道路が完璧に整備されている。路肩にはまだ新しいfunded by American Peopleの看板が立っている。ネットでは遠隔地へ交通の便をよくし、物資を行き届かせ易くすると書いてあったが、実際のところトラックやローリーどころか乗用車も殆ど通っておらず、そこまで緊急性があったのか疑問だ。ほとんど使われないまま時が過ぎて草がアスファルトを覆わないといいのだが。

道路を造ったはいいが末端の市場が育っていない状況では、費用対効果があまり芳しくないのではないか。支援じゃなかったら造らないんじゃないか?未舗装のままではダメなのか?自転車で走る私はありがたいのは疑いもないことだが。支援で道路を作る場合、そういう必要性なども評価しているのだろうか。ただ「あれば便利だから」では納税者であるAmerican Peopleは納得しないだろう。これはアメリカに限ったことではない。

かつて日本大使館で働く人が「私はどこどこでウン十億円の支援の口を見つけてきた」と得意げに話していたが、そういう目線で仕事をしているということが危うい。先進国の支援したいしたい病の最先端、病巣。支援という言葉は美しすぎる、それ故の危うさをいつも持っていることを忘れてはいけない。

道路はさすがフランスの事業者が受けただけのことはある。雨を逃がす側溝もある。そこでおばちゃんがおっぱい丸出しで水浴びしていて、見ていいもんなのか躊躇ったが魅せているのだ、と決め込んで手を振って爽やかに挨拶する。するとおばちゃんもどっかのグラビアアイドルの如く豊かなソレを泡で上手く隠して、いや意図してはいないだろうが隠れて応えてくれる。なかなかちらりズムを理解していてよし。更に別の場所ではおじさんが枝をガシガシ齧っている。手を振って挨拶するといかつい顔に笑顔はっつけて応えてくれる。きっと歯を磨いていたに違いない。洗濯だって側溝は受け入れる。道路は思わぬ副産物を産んだ。

タンザニアの人々はwelcomeの文化を持っている。アフリカを旅すると感じるのはおもてなしの概念が希薄だということ。前に会った自転車乗りもそういう感想をブログに書いていた。今までの南部アフリカは(ジンバブエは少し様子が違ったが)どこも‘おもてなし’の気風薄弱だった。それもそのはず。彼らの思いの根底には「自分たちは貧しい」というのがいつもあって、だから「お金を持っているであろう旅行者が来たら求めよう」という考えがあるのだと思う。蜘蛛の巣を歩いていたら蜘蛛さまに食べられて当然。それはとても自然なことだし私は悪いとは思わない。少し鬱陶しいことはあっても。
その点でタンザニアは違うように感じた。

まず言葉にwelcomeに相当する「カリブー」があることが挙げられる。店や宿を訪ねると必ず「カリブー」と言って主人が出てくる。どんなにみすぼらしい小さな露店ですらもカリブーだから気持ちがいい。スワヒリー英語のテキストにも挨拶のところにカリブーが入っている。彼らにとってカリブーはとても大事な言葉なのだろう。

そして次に困っていると助けてくれ、その見返りを求めない。ムズングはいつだって彼らの注目の的。人がいれば自分を見ていると考えて99%間違いない。少し困った様子を見せるとスワヒリで声を掛けてくれる。彼らの言っていることは殆どわからないんだけど、なんとかして必ず解決してくれる。食べ物屋に連れていってくれたり、安宿まで案内して値段の交渉までしてくれたり。確かに今までの国もそういうことはあったが、最後に「お金ちょうだい」を言われて、仕方のないことだとは分かっていても、気持ちが沈むことがしばしばだった。お金は渡さないが。いい方は少し極端だがいつだって彼らにとって旅行者は金蔓なのだ。タンザニアではそれを全く感じない。皆案内し終わると、さっぱりした顔で「じゃあ」ってな感じで去る。タンザニアに入って初めのうちは、今までの経験があるのでいつ「ちょうだい」がくるか、苦々しい気持ちで待っていたが、それが来ないので違和感を感じていた。その違和感はそういう理由によるものだと後で気が付いた。私が旅している場所が観光地ではないということが大きいと思うが、素地としてそういう側面を持っているのは間違いないと思う。

そして最後に挨拶がとても爽やかだということ。子供が笑顔で挨拶というのは今までもそうだが、大人までもが白い歯を見せて満面の笑みで手を振ってくれるのがタンザニアだ。そしてポレクワサファーリ!と言って見送ってくれる。ポレは何か気持ちを寄り添わせる(シンパシーを表す)ときにかける言葉だ。なかなかいい言葉だ。クワはよくわからないがサファーリは旅なので「楽しんでね!」みたいな感じじゃないかな。

と、こんな感じでタンザニアを走っている。











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