タンザニアではダルエスサラーム、ザンジバルなど東の海岸沿いも行きたかったが、かつてはフランスの植民地であり、そしてアフリカ最貧国と言われるブルンジをどうしても見ておきたいので、今回はムベヤから西に折れてキゴマKigomaに向かうことにした。ブルンジの領事館がキゴマにあるのでビザはそこでとれる。ムベヤから電車でダルエスサラームに行こうかとも考えたが旅の資金があまりないのでいつかのために気持ちを残すことにした。
ムベヤからザンビアとの国境の町トゥンドゥーマTundumaへ行き、そこから北上する。「ある自転車乗りの話によるとトゥンドゥーマからは未舗装だから頑張って」、とリロングウェで会ったイタリアの自転車乗りカップルに言われたが、ここを通らねばブルンジへの道はない。再びナミブ砂漠の悪夢か、、、という気持ちだったが、インターネットで調べてみると各国からの支援でトゥンドゥーマからサンバワンガSumbawangaまでの約200kmは舗装道路工事が行われ、2012年までに工事が終わっているという。わーい。でもその先500kmあまりは未舗装のままのようだ。ウヨレの町で人に聞いてもサンバワンガまでが舗装されているのみという話だった。おそらくタンザニアの未舗装路はナミブ砂漠のような砂道ではないがボコボコの上に雨が降ったらドロドロの最悪に違いない。せめて雨が降らないことを祈ろう。(三月中旬から雨季だそうだよ。。。)
そんな何が出てくるかわからない今後に備えて、出発前にATMでお金をおろす。ATMのそばにいたガードマンが「ウェルカム、ウェルカム、また来てね」と勧めてくる。店ならいいが、ATMでそう言われると何かスキャンされる機械が仕掛けられているんじゃなかろうか、と思えてくるから不思議だ。
ムベヤの町は思った以上に栄えていた。町の中心へは行かなかったが、朝の通勤ラッシュがすごかった。車ではあまり多くなく、バイクに二人乗り。バイクタクシーだ。道沿いには緑の葉の上に黄色い花をたわわに付けたマメ科の街路樹が並んでいる。南部アフリカではこれはジャカランダだった。青空に向けてその黄金の房をうん、と掲げている。相変わらず坂の多い地域だが登りっぱなしではないので、ずいぶん楽だしよく進む。丘の下にも白い屋根の家々が広がっている。
朝ごはんはキャッサバ揚げとチャイTsh800だ。ザンビアやマラウィのキャッサバよりも大きくてほっこりしていた。また揚げ方がうまくて表面がカリッと中はしっとりで絶妙な味だった。トッピングのトマトソースもまたこれに合うんだ。また食べたい一品。チャイはジンジャーの味がした。昨日のもそうだったからここらでは一般的?
町から外れるとあっという間に家が少なくなり、トウモロコシやキャッサバなどの畑風景が広がり、遠くに青い山が連なっている。丘を越えたり巻いたりして、ただ続く道を頼りに進む。ガソリンを積んだローリーが幾台も行き交う。学校もいくつかあって子供達がムズング・コール。追っかけてくる。鼻水たらして。タンザニアでは「お金ちょいだい」は少なくなった。スワヒリで言ってるのかも知れないが、それよりも子供が大人にする礼儀正しい挨拶「シカムー」をよく聞く。それだけで気分が楽になったのは本当の話。マラウィはムズングであること、お金を持っていることが嫌になることもあったから。。。
昼はマンゴー×4で済まそうと思っていたが、少年が隣でいい匂いのご飯を食べているもんだから、負けた。豆とご飯でTsh1000。少し高い気がしたが匂いには勝てん。久々の満腹の食べ過ぎで少し気持ち悪い。坂の下りはいいが上ると胃の内容物まで上ってくる気がした。
遠くの方に白い家が集まった町が午後の優しい光に照らされ現れた。トゥンドゥーマか?町に入って聞いてみるとトゥンドゥーマだと言う。距離メーターではもう少し先のはずだが、地図の表記が間違っていることは5等賞のティッシュセットくらいだから、あぁ、これがトゥンドゥーマか、と納得し安宿をバイクタクシーの兄ちゃんに聞く。すると路地に入った薄汚れた宿に連れていってくれた。タンザニアの宿は宿にバーが付いているというよりも、バーに付いた宿という感じで、バーがメインの宿が多い。バーを通って裏に行くといくつも部屋が並んだ宿が現れてくる。個室のシングルであることが多い。ドミトリー形式は今のところ当っていない。Tsh7000だと言うがTsh5000はないか?と聞いたら奥の方の薄暗いカビだらけの、しかも鍵のない部屋をあてがわれた。しかも部屋の中はそうではないが、宿全体が小便臭い。トイレの造りがいい加減なのだ。小便用の便器があるわけではなく、ただ壁に向かってする、それだけなのだ。個室の壁全体がターゲット。しかもほとんどの安宿には安定した水道がないので、小便が壁に掛かったまま放置されてるわけだから臭いのは当たり前だよ。飲み水もないし、水浴びもたまたま降った夕立で溜められた水を使った。水は大事だと思うんだけどなぁ。
バーでペプシコーラ(東アフリカではコカコーラを上回るシェア?)を飲んでいると、酔った姉ちゃんがスワヒリ語で絡んでくるがもちろん何言っているかわからない。でも酔っているので私がわかっていなくても彼女は楽しそうだ。英語を話せる男が通訳してくれる。その彼がスワヒリ語のテキストを探してきてくれた。勉強せい、と。東アフリカはスワヒリ語圏だ。ケニアは公用語がスワヒリだし、ブルンジ、ルワンダ、ウガンダも通じるという。ケニア、タンザニア、ブルンジ、ルワンダ、ウガンダの一部東アフリカは今後言語を統一して経済的な繋がりを強くしていくようだ。ビザも東アフリカの三か国共通のものがあるようだ。
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