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Africa!

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2014年1月7日火曜日

七草粥を食べたい


今日は七草粥を食べる代わりに、いつも定食屋で食べている1ドルのサザをホテルのレストランで12ドルで食べた。


何という贅沢をしてしまったのだろうか。
しかしいつもの庶民的なサザとは少し違うレストラン風のものを食べられたので満足だ。
何が違うかって?
レストランのサザの方が透明感があって、なおかつまろやかだった。
いつものサザは店によっても違うのだが全体的に粗い。
サザはトウモロコシを擦り潰しているので、小さな粒々が混ざっており、調理後もその粒々が残る。
その粒々一つ一つがレストランの方が尖っておらずまろやかなのだ。
勿論定食屋にもまろやかなサザを出すところもある。
好みの問題だがおそらく多くの日本人の口に合うのはレストランの方だろう。
主菜の鶏と牛、パプリカの炒め物は定食屋では見たことないので比較できない。
味付は茶色いソースが絡んでおり、日本の家庭で食べる炒め物の近かった。
またコヴォと呼ばれる小松菜の仲間をクタクタに炒めた副菜が、いつものは色が変色してくすんでいるが、
レストラン風の方は瑞々しく緑が映えていた。
おかげでコヴォの味がしっかり残っていて美味しかった。
食べながら好物の小松菜と油揚げの煮物を思い出して、あぁ、ここは日本じゃないんだよなぁ、なんていう当たり前のことを思っていた。


食べ物の話が出たところで、今まで通ってきたアフリカの料理を少し概観したい。
アフリカを旅している人がこぞって不平を漏らすのは、アフリカの料理の乏しさだ。
飽きるんだよなー、と。
確かにバラエティは少ない。
調理法にしてもそのほとんどが、焼く、煮込む、揚げるに尽きている。
日本料理のような下準備をするのは殆どない。
使われる野菜の種類も少ないし、野菜は元の姿や味がなくなるほど炒めつけられて、どれも同じじゃないかー、と。

そんなアフリカ料理だが地域によっては少しずつ違うのでその多様さを紹介したい。
主食、主菜、副菜をそれぞれ一般的に説明した後で、多様さについて言及する。


まず主食のサザについて。
サザとは白いもちっとしたトウモロコシの粉を練ったもので、きりたんぽのような食べ物だ。
サブサハラアフリカで主に食べられており、それぞれの地域・国によって呼び名が異なるが、殆ど同じものである。

南ア・ナミビア・ボツワナーーパップ、ツィック(どろっとしたという意味)ポリッジ
ジンバブエーーーーーーーーーサザ
ザンビア・マラウィーーーーーシマ
タンザニアなどーーーーーーーーーウガリという具合だ。
他の地域ではなんと呼ばれているのか、今後知ることになるだろう。

地域によっては黄色いトウモロコシを使っていたり、水を入れて一日温かい場所において発酵させてから火を入れて食べる(酸味が出る)方法が取られているなど、少しバラエティがあるがトウモロコシの粉を練って作るということには変わりはない。
サザを作っている

暑かったり乾燥している地域ではトウモロコシよりも厳しい環境に強いソルガム(モロコシ)やムンガ(inショナ、英名分からず)を使った茶色いパップが食べられることもある。
白パップよりも深みがある。米でいうと古代米みたいなもんか。
それよりも粉っぽい感じのマハングがナミビア北部で食べられていたが何が原料かは不明だった。
少し砂が混じったようなシャリシャリ感が心地よいような、気持ち悪いような不思議な気分だった。
その他、キャッサバが混ぜられていたり。
南アの白人は白パップに味付し野菜と混ぜ合わせた上にチーズなどを載せてラザニアのようにして食べていた。


続いて主菜。
肉が多く食べられる。
あまり裕福でない人は、肉は稀に食べるだけで豆や野菜を主に摂る。

鶏、牛、豚、羊、山羊が使われ、地域や宗教によって違いがある。
肉の調理の仕方はシチューとして煮込んであるか、揚げまたは炭焼きだ。
ビーフシチュー


パップには濃い味付けが合う。
日本料理のように砂糖を使った甘味付けはしない。
最近はクノールがいろんなシチューの素を出しているのでそれをうまく使っていたり、
恐らく定食屋ではクノールは少し高いので他の安いスパイスやシチューの素を使って作っている。

乾燥していて牛や鶏などを育てるのが難しい南アやボツワナ、ナミビアの砂漠地帯では、主に乾燥に強いヤギやヒツジが育てられ食べられている。
南アのキリスト教のある宗派は豚を食べてはいけない、という規律がある。
私の友人パセリ君も豚を食べてはいけない人だったが、普段彼が旨いと食べていたソーセージに豚肉が使われているぞ、と教えってやったらショックを受けていた。
成分表示を確認しようよ。と言ってやった。
ダメと言われていても食べる人も結構いたのでイスラムほど厳しくはない印象を持った。
それでもパセリ君は頑なに「豚のようにはなりたくない」と豚を拒んでいたが。

ジンバブエは牛肉生産が昔から盛んで、今も牛が一番安いので牛がよく食べられている。
牛の腸は安いのでよく食べられているが、日本のモツなんて言うレベルのきれいなものではなく、黒くて毛羽立ったタオルみたいで、おまけに強烈なチーズ臭。
味付を濃くすれば食べられるが、好んで食べたくはないもののうちの一つだ。

オカバンゴ川が近いナミビアのカプリビ周辺は魚のフライをパップと一緒に食べていた。
これは硬い背びれが歯茎に刺さって痛いが旨い。
頑張れば頭まで丸々いけるが、一度頑張っただけで歯茎優先であとは残した。
ジンバブエのハラレに近い川のそばでも魚のフライが見られたので、川があれば魚を食べる習慣はあるのだろう。

モパニの森が広がるボツワナの南東部、南アのリンポポ、ジンバブエではモパニワームが大量に収穫できるので虫が主菜になりうる。
ミュージアムの乾燥した展示品を味見したら鳥の餌みたいな味がしてまずかった。
古くなっていたのだろう。
同僚が調理したものを味見したがやはり大してうまくなかった。
以前にも書いたが、モパニワームとして食べられているものには二種類あり、黒い痒くなりそうな奴と透明感のある緑のきれいな奴。
緑の方は結局食べられなかったので残念だ。
しかしあるアフリカン曰く、黒い方が美味とのことだったので期待はできない。


さて、最後に副菜である野菜だ。
最近は食の西洋化が進みキュウリやレタスなどをサラダにして生のまま食べるようになってきてはいるが、
まだまだ田舎では浸透していない。
そもそもサザに合うのだろうか?
よく食べられる野菜は、南アではホウレンソウ(日本でいう小松菜や白菜などの菜っ葉も全部ホウレンソウと呼んでいる。食べ方で名前を付けているようだ)をクタクタに炒めたものや、カボチャを煮たもの、ビートルーツ(ホウレンソウの根っこを大きくした蕪ような奴で甘酢で味付け)が多い。
それからカボチャの葉っぱもホウレンソウのようにして炒めて食べたり、ナス科やキク、アブラナ科の野草を摘んで同じく炒めて食べていた。
ナミビアでは野菜がなかなか手に入らないようであまり食べているイメージがなかった。
私もナミビアでは肉と炭水化物ばかり摂っていて、時々萎びたフルーツやトマトにありついては喜んでいた。
ボツワナに入ると少し野菜や果物が出てくるが、私が通った場所はやはり乾燥している地域だったので、大したものはなかった。
ボツワナのフランシスタウンで状況ががらりと変わった。
ボツワナ第二の都市でもあるため、野菜や果物の流通の良さも関係しているようだった。
ジンバブエは野菜や果物が豊富だ。さすがかつて農業大国だっただけのことはある。
トマトなんかの品質は南アより劣るもののしっかりしている。

自転車乗りにとって何より嬉しいのは、道路沿いで野菜や果物を買って食えることである。
トマトはもちろんキュウリやキノコまで。
キュウリはそおばちゃんが塩を振ってくれるのでその場で食べる。


瑞々しさとしょっぱさが、漕ぎ漕ぎで疲れた体に何にもまして美味しい。
ジンバブエではサザを頼むとたいていの場合副菜の野菜の炒め煮が付いている。
時期的なものもあるだろうが今は先にも書いたコヴォが多い。
その他、野生のウリの葉やニエーヴェと呼ばれるほろ苦い草を摘んで副菜にしたり、主菜にしたりする。
ニエーヴェの花は花火のようで美しい。


ブラワヨの郊外ではモロヘイヤのように滑りのある野草を摘んでいる親子に出会った。
彼らはそれを滑りのせいか「オクラ」と呼んでいた。
ハラレのマーケットには5種類ほどの乾燥させた野草が売られていた。

キノコはどうやって食べるのか知らないが、道沿いで子供達が遊びながら店番(店と言っても極めてオープンなものだが)をやっているのをジンバブエの東部で目にした。


白くてプリンとしたキノコと、表面が紅で裏側黄色っぽいキノコが売られており、見た目がおいしそうな白い方を買って食べた。
世話になった宅で調理してもらったら、油で炒め塩で味付けされて出てきた。
素朴な調理方法だが旨かった。葉の砂が触るのが少し難ではあったが調理法次第だろう。
仄かにキノコの香りがし、プリンとした触感は日本で売られるマッシュルームのようだが、少し滑りがあり、土の香りがするので野性味がある。
バターで炒めたらさぞかし旨いだろう。
このキノコ、大きくなると子供の顔くらいにもなるので初め子供らが何を持っているのか分からなかった。

道沿いの果物はなんといってもマンゴーだ。


安いし旨い!
8個くらいまとめて買うと1ドルだ。
マンゴーにも種類があって、今までに4種類くらい見た。
皮が黄色くて丸く、繊維が多く歯に詰まりまくる濃くて甘いやつ、
皮は緑から一気に赤くなり、水分が多くて薄味の細長いやつ、
小さいメロンほどもある馬鹿でかくて味もしっかりしている食い応えのあるやつ、
それより一回り小さいが味、香り、見た目、すべてが洗練されたやつ。
道端で売られているのは前二者で、後者はスーパーなどで見かける。

とつらつらと書いたが意外と食生活も楽しんでいる。
アジアに入ったら種類がありすぎて目を回してしまいそうだ。








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