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2014年8月14日木曜日

0814 見えているものは心が作った幻想

ソロロからモヤレまでの道は舗装工事が行われていてトラックが頻繁に通っていた。粒子の細かいここらの土は、暗いうちに降った涙雨とこれらのトラックに踏み固められてツヤツヤの路面を見せていた。
東より昇る朝日が路面に反射して、東に向かって走る私は常にその光の中を泳いでいる気分だった。それはもう素晴らしく気持ちの良い朝であった。と同時に頭の中にLes MisérableのÉponineの歌が頭に鳴った。♪ In the rain, the pavement shines like silver...
映画自体最も好きなものの一つだが、あれを歌うÉponineの姿が切なくて何度聞いてもじんわりとくる。
人が見ているまたは感じているのは突き詰めると幻想なのだろうと思うことがある。Éonineの様に恋をしていたときには単なる雨で濡れた道路が輝く銀色の世界に見えたり、アバタもえくぼって言葉もあるし、おそらくウガリを日本のコタツで食ってもうまくない、きっと。単なるトラックに踏み固められた道を素晴らしく清々しい心のうちに走ることができたのは、もうすぐ新たな国へ入る期待感、少し危険な砂漠を抜けた安心感と達成感がそうさせたのだと思う。
大事なのは心。己の心が不健全では楽しいはずの人生も楽しくない。逆に楽しくない人生も心の持ちよう一つでガラリと変わることもあると思う。幻想を見続けた者勝ちなのかもしれない。まぁそれを維持しようとしてクスリに手を出して幻想に喰われてしまう人もいるが。

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