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2013年11月16日土曜日

トイレを借りたら音を返す

アフリカのマッターホルンと観光客が呼ぶスピッツ・コップがゆっくりと遠のき霞んでいく。
スワコップムンドからはすでに1000m以上も上ってきていたが、緩やかな登りのためあまり気付かない。
筋肉の疲労が上っていることを教えてくれる。
アフリカ大陸は平らな低地だと思っていたが、多くは1000mを越える高地だった。
海沿いから少し内陸に入ればそこは高地。
あのセスリムの砂丘ですら確か900mくらいのところにあった。

ウサコスに近づくとその平原が山がちになってくる。
ウサコスはこじんまりとしたきれいな町で平和そうだった。
昼飯を買いに店に入ると、気のいい兄ちゃんと若い娘に、
「あなたとっても美しいわ」なんて日本では一度も言われたことのないことを言われ、
ハッピー1Dayチケットをもらった気分だった。

次のカリビブ(Karibib)もウサコス同様、平和な町だった。
子供が多く、そこら中で遊んでいる子供を見かける。
ものを要求してくることはなく、自転車に興味津々だった。
速いのこれ?とかどこまで行くの?とか聞かれる。
ウサコスでは自転車に乗った子供をよく見かけた。

カリビブのガソリンスタンドで泊まろうとテントを立てていると、
ここは危ないからうちの庭に泊まれよ、と若いお兄ちゃんに誘われた。
そうだ、そうしろ、それがいい、と人が集まってくる。
立てかけたテントをしまい、彼の庭に泊めてもらうことにした。

彼の敷地は4人くらいの若い人でシェアしており、四つ家があって、真ん中は何もない庭になっている。
日本だったらアパートかなんかが建ち30-40人は住んでいるかもしれない。
彼は私を置いて「八時くらいに帰ると」言って再びどこかへ消えてしまった。
少し落ち着いて、考えてみるとトイレはどうしたらいいんだろう、という素朴なしかしとても基本的な疑問が浮かんだ。
ガソリンスタンドでしようと思っていたが、思わぬ展開にしそびれていた。
どうしよう。
をの時小さな家からホットパンツが可愛い、女性が出てきた。
もう下着なのか外着なのかわからないくらいに魅せてくる。
いや、それどころではない。トイレだ。
彼女に借りた。
しかし彼女のトイレにはドアが付いておらず、台所のわきにちょっとしたでっぱりに隠れてあった。
かわいらしい女性の気配を感じながらする小便とは何とも奇妙だった。

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