テントから頭を出して、暮れゆく空を眺めている。ケニア北部のガルガル砂漠は砂埃のせいか、または湿気が多少なりともあるせいか、ナミブ砂漠のような真っ青な空は見えない。日本の麗らかな春日のような淡い空だ。その輪郭のはっきりしない雲が薄暗い空に滲んでゆっくりと動いていく。そんな雲を目で追いながら、取り留めもないことを考える。こういう生活もあと少しで終わりかと思うとなんだか名残惜しい。今日はあまりにだだっ広い砂漠を見て走っていたら無性にテント泊りをしたくなって、こうやって空を見る穏やかな時間を得ることできた。
明るい空に隠れていた星たちが氷が溶けるように少しずつ姿を現し始めた。星たちの出勤。今日もしっかりお輝き頼みますよ。
日の入りと同時に風が弱まり、気温も下がり始める。
遠くの方ではノマド達が牛や山羊を集めている。風音の切れ目に耳を澄ますと、牛の嘶きやカウベルの乾いた音を見つけることができる。そうそうロバの嘶きを聞いたことあるかい?もう凄いのなんの。ふいぃーハオッ、ハオッ、ハオッ、ハオッ、ハオッ!って過呼吸でも起こしたような苦しそうなものである。鳴いてるのか欲情しているのか定かではないがボツワナでも同じく聞こえていたので結構一般的な嘶きなんだと思う。多少方言があるかのしれないけれど。
そうして夕飯はスパゲティを茹でてウガンダで貰ったインスタントの味噌汁で食べた。今の私は相当なものでない限り「旨い!」と言って食える自信はある。ナイロビでFacebookを覗いたら友人達が大変うまそうなものをたくさんアップしていたのを思い出し、俺は一体何を食っているんだろう、と惨めになるつもりがなんだか無性に可笑しくて独りで笑った。いや風も一緒に笑ってくれていたな。
いやぁそれにしても風がこんなに優しくて気持ちいいのなんてなかなか味わえないよなぁ。頬が嬉しいってよー。
明るい空に隠れていた星たちが氷が溶けるように少しずつ姿を現し始めた。星たちの出勤。今日もしっかりお輝き頼みますよ。
日の入りと同時に風が弱まり、気温も下がり始める。
遠くの方ではノマド達が牛や山羊を集めている。風音の切れ目に耳を澄ますと、牛の嘶きやカウベルの乾いた音を見つけることができる。そうそうロバの嘶きを聞いたことあるかい?もう凄いのなんの。ふいぃーハオッ、ハオッ、ハオッ、ハオッ、ハオッ!って過呼吸でも起こしたような苦しそうなものである。鳴いてるのか欲情しているのか定かではないがボツワナでも同じく聞こえていたので結構一般的な嘶きなんだと思う。多少方言があるかのしれないけれど。
そうして夕飯はスパゲティを茹でてウガンダで貰ったインスタントの味噌汁で食べた。今の私は相当なものでない限り「旨い!」と言って食える自信はある。ナイロビでFacebookを覗いたら友人達が大変うまそうなものをたくさんアップしていたのを思い出し、俺は一体何を食っているんだろう、と惨めになるつもりがなんだか無性に可笑しくて独りで笑った。いや風も一緒に笑ってくれていたな。
いやぁそれにしても風がこんなに優しくて気持ちいいのなんてなかなか味わえないよなぁ。頬が嬉しいってよー。
今日の道は最高だった。モヤレまでの半分は中国の工事会社がとてもいい道を作ってくれている。マルサビットから60kmくらい全く漕がなくても進んでいた。緩い下り、追い風。そして気温は標高が高いので涼しく、追い風なのでほぼ風音無し。そうすると虫の音や鳥のさえずりが耳に入ってくる。もう今日は何かのご褒美かと思うくらいに気持ちよかった。そして砂漠の香りを嗅いでやろうと肺を精一杯膨らませるんだけど、もう一つ肺があっても足りない。それだけ砂漠の香りは繊細。
そしてとうとう道が未舗装になる辺りに小さな店が。私を見つけると店の女の子が嬉しそうに、でも恥ずかしそうに、それでも珍しいムズングを喜んで歓迎してくれた。なんとソーラーパネルのお陰で冷たいジュースが飲めた。あ〜喉に沁みるわい〜
そして彼女は私の地図を抱えて一生懸命ルートを見ている。彼女は私が今日すっ飛ばしてきた町から、中国の事業者がいる間だけ出稼ぎで母親と妹とここに住んでいた。住居はモンゴルのパオのようにドーム状の籠のような骨組みに布を被せたもの。ここらのノマド達の家はこのタイプが多い。ここは本当に雨が降らないようで、水のタンクがいくつも並べられていた。そんな水を少しおすそ分けしてもらった。プールの浮き輪みたいな味がした。そうして私はテント泊り体制に入った。
そしてとうとう道が未舗装になる辺りに小さな店が。私を見つけると店の女の子が嬉しそうに、でも恥ずかしそうに、それでも珍しいムズングを喜んで歓迎してくれた。なんとソーラーパネルのお陰で冷たいジュースが飲めた。あ〜喉に沁みるわい〜
そして彼女は私の地図を抱えて一生懸命ルートを見ている。彼女は私が今日すっ飛ばしてきた町から、中国の事業者がいる間だけ出稼ぎで母親と妹とここに住んでいた。住居はモンゴルのパオのようにドーム状の籠のような骨組みに布を被せたもの。ここらのノマド達の家はこのタイプが多い。ここは本当に雨が降らないようで、水のタンクがいくつも並べられていた。そんな水を少しおすそ分けしてもらった。プールの浮き輪みたいな味がした。そうして私はテント泊り体制に入った。
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