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2014年4月7日月曜日

時代は変わる

今日ラジオでNHKのニュースを聞いていたら、ナイジェリアのGNPがアフリカでトップになったということが放送されていた。今までの計算方法にはサービス業などが含まれていなかったらしく、今回正確に計算しなおしたら南アを抜いていたという。何とも長閑な話ではないか。そんなこともあるのかということが起きるからアフリカは面白いのかもしれない。ナイジェリアは人口がアフリカでも最大の一億三千万を抱える大国だ。一方の南アは人口六千万弱。人口の差があるので一人当たりではまだまだ南アには及ばないだろうが、いずれは抜くであろう。南部アフリカを旅していたときは、各国の人々や売られている製品、会社に南アの存在を大きく感じていた。そして南部のアフリカン達はどことなく南アへの憧れというか羨望のようなものを持っているのを感じた。特に南アとは反対の政策(白人排除)を取って経済の破綻を招いてしまい、西洋諸国から頻繁に南アと比較されては貶められているジンバブエではそれを強く感じた。

しかし東アフリカに入ると南アの存在は影をひそめる。ただし東アフリカでは南アはヨーロッパ並みに発展しているという印象を持っている人が多い。確かに南アは白人の多い都市部は洗練されており発展レベルは東アフリカを大きく上回るが、殆ど白人がいないような地方部に限っては物流の良さを除いては大して変わらないどころか、寧ろ混沌としているように見える。南アは白人の資本や技術力、マネジメント力にかなり寄りかかっている感は拭えない。

さてナイジェリア。この国は西アフリカの中心に位置する国。私は西アフリカは行ったことはないが、未だに不安定な国が多いという印象がある。しかしバンツー諸語系(南部東部アフリカに広く分布)のオリジンであることや異なる植民地時代を経てきたことから、南部東部アフリカと比べてみるという意味で興味深くもある。
南アにいたときもナイジェリアの存在はしばしば感じていた。ナイジェリアン・コメディアンのDVDはコピーされまくって超人気だったし、ゴスペルなんかも入ってきていた。ナイジェリアは言わばアフリカの流行の最先端を行っている感じだ。マラウィやルワンダで売られていた布もナイジェリア製のものが上等品として売られていた。

アフリカにおいて不動の地位にいた南アがナイジェリアに抜かれた(GDPという一つの尺度で見れば)。アジアにおいて日本も中国に抜かれた。世界においてワンマン警官的な様子をしていたアメリカの影響力がどんどん落ちている。そのアメリカもいずれ経済で中国に抜かれるかもしれない。世界は変わる。栄枯盛衰、諸行無常。その流れ中で人は精一杯生きればいい。そして国も。そして流れに逆らうもよし、流れに流れるもよし。いまは小国のブルンジ、ルワンダ、ウガンダ三兄弟もいつか世界のトップに躍り出る日がやってくるのだろうか。

そもそも今後は経済力での評価がどこまで価値を持つのか疑問だ。経済的な豊かさと国民の幸福度はある程度の経済力がある国(いわゆる先進国)以上ではあまり関係しないことがわかっている。それに国力と国力がダイレクトにぶつかり合う時代は終わった。そのため国力の元になる経済力をせっせとあげる必要は以前と比べて減ってきている。更に言うと経済力と国家の発言力(腕力に訴えない場合の国力)には関係がないことは残念ながら日本が証明してしまった。今後は国やその国民に求められるものが今までとは違ってくるだろう。それを嗅ぎだす嗅覚を養うために旅をする。外国の人と会話する。世界を見る。そして、日本へ帰る。

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