新年あけました。
新年の抱負なるものを書くのもいいが、ここはひとつ、旅していてよく聞かれる質問について自分なりにまとめておきたい。
1.何のため、誰がためにやっているのだ?
チャリティーか?
自転車に乗って旅することが誰のためになるというのだ。
私には自分以外に利する人間がいるようには思えない。
だからいつも「自分が楽しいし、色々なものを見られるからやっているんだ」と答えている。
それでもあまりパッとした顔を見せないで、まずそうに飲み込んでくれる。
そう、何だかよくわからないけどとりあえず嚥下しておくかといった感じで。
白人の場合はそれはスムーズに受け取ってもらうことができる。
挑戦することや、自分に資することを行うことに関して疑問がない。
しかし多くのアフリカンにとっては、私の行動は極めて奇怪なものと映っているようだ。
チャリティーか?について
初めチャリティーと聞かれるのがなぜなのか分からなかった。
自転車の旅がチャリティーたりうるのか。
彼らは私が自転車で回りながら何かを配っていると思っているのか?
だから道沿いで色々なものを要求されるのか?
何かを配るんだったら車でやりますよ。と。
しかしジンバブエの本読んでいたらそれが勘違いであったことを知る。配るのではなく寧ろお金を集めて回っていたのだ。どうやらかつて自転車でロンドンからハラレまでを二人の女性が、違法捕獲され激減するサイのために啓蒙活動と募金を集めて回ったという話を知った。そして彼女らはハラレに着いたと同時にヒロインとなり迎えられたと。それがもしかしたら彼らの記憶に残っているのかもしれない。
2.どうして自転車なの?
車だと聞き逃す声や音、見逃すものを拾えるから。
車では道路沿いでお金を要求されたり、挨拶したりはできないだろう。
道沿いに満ちる小便や花の香りもしないだろう。
木々の枝を揺らす風のさざめき、緑の森に響く鳥のさえずりは聞けまい。
雨の後の爽快な走りも体験できないだろう。
自転車だと人々が絡んできやすい。物理的にも精神的にも。
考える時間がたくさんある。
確かに車に比べて大変なこともあろうが、それにも勝るメリットはたくさんあると、日々自分を納得させるのに精いっぱいだ。
たまに健康のためか、そうか、と勝手に納得されることもあるが、健康のためだったらアフリカには来ていないに違いない。
3.スポンサーはいるのか?
資金やものを提供してくれるスポンサーはいない。
私のような私的な旅に誰が出してくれると言うのだ。
冒険でもないし、何か新しいことをやっているわけでもない。
中にはスポーツ用品会社のスポンサーを付けて回っている人もいると聞くが、私はそんなに器用ではない。
企業のスポンサーはなくても、その土地土地でいろんな人に十分助けてもらっているからいいのだ。
4.家族は、妻は、子供はいるのか?
そうだよな、こんな歳しているからみんな心配してくれるのだ。
家族や子供を日本に置いてきてはいないか、と。
いない、と答えるとみな安心したような顔をしなさる。
そして次にはここで見つけていけと言ってくれるのだ。
そうだなカメラとパソコン減らして、乗る場所開けないとなぁ。
お尻が大きいから荷物を全部おいていく覚悟が必要だ。
さて、今年はどんな年になるんだろう。
漕ぐよ。
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