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2013年10月3日木曜日

ケープタウンへ

荷物を積んでバス停まで漕ぐ。
はじめはハンドルが取られ、容赦ない南アの車が走る車道脇を走るのが怖かったが、すぐにハンドルが落ち着き、慣れた。
ゲストハウスからバス停まで30分弱。
活気の出てきた街を抜ける。道行く人が怪訝に眺める。
バス停に着くと積んだ荷物をバラし、乗車に備える。

事前に確認したところ、自転車は別料金固定でR300かかるという話だった。
南アでの生活から、結構おまけしてくれるんじゃなかろうか、と考えていたがダメだった。
さすが首都。決まり事には容赦がない。
でも他のバッグの重さは一個計っただけで、20kg以下だったのでOKが出た。
総重量ではないのか?と思って言おうとしたが、やめた。
自分に不利になることは言わない、言わない。

南アの長距離バスは快適だ。
一番安いCity to Cityも運が良ければ比較的きれいなままで運行される。
しかし運が悪いと、大変だ。そこらへんにチキンの骨やら紙屑やらが飛び散らかる。
臭いと熱も独特だ。
しかし、GreyhoundやTranslux、Intercapeといったレベルの高いバスになると、快適だ。
時間感覚については極めて緩く、1時間遅れてくるのは当たり前だが、、、

今回はIntercapeを利用した。
安いのと自転車を積んでくれるから。

首都PretoriaからCapeTownまで21時間かかるが、R560とは格安だ。加えて自転車料金のR300。これが少し高いが、しょうがない。ミニバスだともう少し安くなるかもしれないが、自転車を運ぶのは難しい。
バスには運転手の他にバスレディが添乗する。
ゴミを片づけたり、アナウンスを入れたり、またはジュースを売りに来る。
これまでCapeTownとUpingtonでIntercapeを利用したが、どのバスレディもポワンポワンした英語で、語学力の未熟な私には聞き取りにくい。
日本の電車のアナウンスが独特なのと同じか。




Pretoriaを出発し、一時間ほどでヨハネスブルグに到着する。
そこでさらに人を積み、荒野に向けて出発する。
プレトリアやヨハネスブルグ、ブルームフォンテーン、ケープタウンなどの都市を埋める空間はトウモロコシ畑や鉱山地帯でほとんど何もない。
今が冬の終わりということもあるが、本当に枯れた荒野が延々と続く。
よくもこんなに土地があるもんだというほどに何もない。






















パセリが「日本は小さいから南アの土地を少しあげるよ」と冗談でよく言っていたのを思い出す。
日本に帰った時に思ったのが、日本は本当に空いた土地がないなぁ、ということだった。
住宅地にしろ、耕作地にしろ、隙間なく誰かが何かに利用している。
最近は日本も休耕田が多い、と言われるが、南アフリカと比べたら大したことはない。
狭いからこそ考えて使われているのか。


スリープライナーでもあるので足も延ばせて快適。



ブルームフォンテーンに着いた頃にはすっかり辺りは暗くなっていた。
私は二階の前の席だったので広い前の窓から運転手のごとく進路を見ることができた。
闇に真っ直ぐ吸い込まれるように続く路面の白線。
決まったテンポで窓の下に消えていく途切れ途切れの中央線。
対向車のヘッドライトが闇夜に浮かんでは近づいて最後は消える。
ふとその上方へ目をやると、数え切れぬほどの星が静かに天空にへばりついている。
地上の動と、天の静。
その間を光の箱が動いているのか、止まっているのかわからなくなる、不思議な空間。


バスではいくら眠っても眠い。
目が覚めると、すでに朝。
荒野が変わり、山がちな景色になっていた。
この辺りはワインのブドウやオレンジ栽培が盛んで緑もたくさんある。













こんなところも通る。

再び寝て起きたら終着駅に着いていた。
荷卸し。

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