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2014年8月20日水曜日

0820 ゴルァ!

エチオピアを自転車で走っていると石を投げられるというが、まだその現象には出会っていなかった。ケニア北部ではやられたが。
エチオピアは子供が、、、御クソ餓鬼様だ。大人と子供の境界がどこにあるか見当もつかないが、ある時からちゃんとしたエチオピア人になるようだ。
エチオピアは子供の数が他国に比べて多いと思うのは気のせいだろうか。子供がいない100mは存在しない。また100mくらい離れたところから道路めがけてぶっ飛んでやってくるのは正直怖い。どうしてそんなに君たちのセンサーは鋭敏なんだ。
自転車で走っていると、沿道に走り寄って来た子供らの
「ユーユーユーユー!」に始まり、
「ファランジ!」コール。
このユーは英語のYouなのか?
一人の「ユーユーユーユー!」が他を喚起し別の「ユーユーユーユー!」が発っせられる。いつも最初の「ユーユーユーユー!」が聞こえると思う。
「あぁ、アラームを鳴らしてしまった」
一度鳴ったらそのアラームの区間を通り過ぎるまで鳴り続ける。区間がどこで切れるかって?
だから問題なのだ。ほとんど切れない。もの凄いストレス。旅の途中で出会った先人がイヤホン嵌めて音楽を聴いていた、そうじゃないとあそこは越えられない、と言っていた意味がわかった。
「ユーユーユーユー!」「ファランジ!」だけであればまだいい。
「Give me sth!」がほとんどの場合付いてくるのには精神が擦り切れる。
そしてそういう中で少し気持ちがささくれていたんだと思う。6人ほどの子供が例の如く沿道で「金くれ」「ペンくれ」「洋服くれ」だの戯言を抜かしていたので、手で追い払う仕草をして通り過ぎた。すると彼らのうちの一人が私に向かってボールを投げ付けた。自転車にあたったが別にどうってことはなかったので、無視して通り過ぎても良かったのだが。一発ガツンとやってみようということで、自転車を止めて振り返り、ゴルァ!。すると子供たちがビクリと止まり、二人が脱兎のごとく逃げた。「おいっ、誰だ?今投げたの、こっち来い!」と餓鬼に対し鬼の形相で睨んだ。すると残った子供らが逃げたやつを一斉に指さし、「連れてこい!」と言うと一人が駆けていった。仲間を庇って「知るか、バーカ、糞オヤジ」とでも言われると思ったのとは裏腹に子供達の意外な素直さに驚いた。やっぱり子供は子供なのだ。いや現金な奴らなだけか。
そして近くを歩いていた大人が子どもたちに注意をして済んだかと思って走り始めたら、子どもたちの親と思われる男性がやってきて謝ってきた。これには正直びっくり仰天。エチオピアのガキは無法地帯だが、大人社会はどこか安心できるものがある。
バイクに乗ったおっちゃんが変なファランジを気にかけてしばらく話しながら一緒に走っていた。そしてひとつの小さな町に着いた時に私は写真を撮るからと、止まった。それがまた大変なのだ。子供が「ユーユーユーユー!」と言って10秒もしないうちに10人くらいの御クソガキ様に囲まれた。町の写真を撮ろうとするとフレームにニコニコしながら入ってくる。手で「あっちいけ、どけどけ」と言うが、どだい無理な話で一番大きい10歳くらいの男の子はもう意地でも写真に収まってやろうとして、嫌がらせの如く腕を組んで5mくらい離れたところに立っている。先程のバイクのおっちゃんが石を投げて追い払うも「へっへーん、そんなん当たらないよー」と言った小賢しい笑いを見せている。最高の御クソガキ様でしょう?
目の前の子供が私のフロントバッグを指差してなにか言っている。私が弁当として後で食べようと楽しみにとっておいた茹でトウモロコシがなくなっていた。盗んだ奴は既に姿をくらましていた。ちょっとした油断があった。大事なものではなくてよかったと冷や汗が出た。エチオピアの御クソガキ様を侮っていた。

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