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2014年2月12日水曜日

とんだ門出

リロングウェで泊まっていたのは宿兼キャンプ場で、安いキャンプ場に泊まっていた。この雨季の時期テント生活はなかなか不快である。私が使っているのは山用の一人用テントで、かなり性能はいい。いや、良かった、というべきだろう。もう買ってから5年以上経つので縫い目のシールがはがれてきていたり、底面は穴をふさいだテープだらけだ。本当によく頑張ってくれている。しかしこの激しい雨には耐える力はなく、そこここから浸水してくる。加えてキャンプ場には怖い程に敏感な蟻の一家が住みついている。ものを地面に置くと、ワシャーって集まってきて不気味だ。隙あらばテントの中に入ってやろうという魂胆が丸見えだ。いや、魂胆ではなく実際に何度も実行した。寝ている顔がくすぐったくて仕方なかった。

そんなキャンプ場には私しか客がおらず、寂しかったが途中でカナダの兄ちゃんが加わり、少しだけ賑やかになった。蟻の方が大分にぎやかだが。そして宿には体重が60㎏はあろうかと思われる番犬君がいた。こいつがまた厄介で、宿に泊まっている客しか認めないもんだから、夜中にトイレや台所に行こうとすると吠えられて極めて不快な思いをした。しかし心の広い私は「お前も仕事だからしょうがないな」と言って納得してやった。しかしキャンパーも客ぞな。忘るるべからず。

そして非快適に長居したキャンプ場とも別れの時が来た。自転車に乗ってゲートに向かう途中、例の忠犬が吠えはじめ、駆け寄ってきて、右ふくらはぎに咬みつきやがった。奴としては自信のなさからか手加減したようで血こそ出なかったが、あれは甘噛みにあらず。犬になんて日本でも噛まれたことないのに、泊まっている宿の番犬に噛まれるとはどれほど私が客に見えないんだよ、このバカ犬が!ふくらはぎの痛みよりもそっちの方が痛かったぞ。宿の番犬なので狂犬病は持っていないと言っていたが、自分の客としてのオーラのなさに落ち込んだ。

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