黄熱病の予防接種を終了した証拠である。
これがないと入国させてくれない国があるので必須だ。
帰国してすぐに電話するも7月中はもう予約いっぱいで駄目だから、7月に予約して8月に来てくれと言われていた。
黄熱病予防接種は日本では結構人気の痛い系アクティビティなかもしれない。
南アフリカにいるときに打っていればもっと簡単に安くできたのに、本当に要領が悪い。
ついでにマラリア予防薬、メファキン(メフロキン)を手に入れた。
ものすごく高くて6錠で9000円。
むむ、一錠1500円。。。
飲むときに手が震えそうな金額だ。
6錠では予定滞在期間3ヶ月分をカバーすることはできないが、6錠だけ買った。
看護士さんに二箱(12錠三か月分)買う、と言ったら親切にも「この薬高いよ、いいの?」と脅されて、
「え?いくらですか?」「9000円よ」「え!?本当ですか?じゃぁ一箱だけください、残りは現地で手に入れます。」
と値段とリスクを勘案して、つい中途半端にも一箱だけ買ったのだ。
頭の中にはだれかマラリア感染地帯に行った人からもらえるんじゃないか、という何とも緩い考えがあったのも事実である。
看護士さんも私の身なりと旅行という言葉を聞いていたので、貧乏旅行なんだわと心配してくれたのに違いない。
年配の女性だったのだがとても優しい目をしており、今までにもこうやって旅する人にアドバイスをしてきたに違いない。
色々とマラリアについて説明してくれた、おじいさん先生はもっとすごかった。
彼が持っている命に対する考え方に触れ、私の中の何かに共鳴するような気がした。
「もしマラリアの予防薬を飲んで辛かったら(結構副作用が強いので)、無理して飲まずにきっぱり諦めなさい。
そしたらできるだけ蚊に刺されないようにして、それでも罹ってしまったらしょうがない。何とかして治療に励みなさい」
とさらりと言った。
メフロキンの副作用は鬱など精神的にネガティブになったり、頭痛、吐き気、平衡感覚以上などがあるそうだ。
人によってはマラリアになるか、精神的に塞ぎ込むか、という選択になる。
薬と合わなければ苦しいだけで旅を楽しむことができなくなる。多少はリスクがあっても君は旅を楽しみたいだろう?
それをおじいさん先生もわかっていたのだと思う。
彼の前ではすべて見透かされて、それがわたしにとぷんと何か心地よいものに浸かった気にさせてくれた。
包容力。
命は大事。子供のころから学校で「命以上に大事なものはない」ということを何度も叩き込まれてきた。
これは戦後から始まり、私たちの世代への教育で特に強調された特徴だろう。
でも命は大事、大事と大切にしすぎて桐箱にしまっていては光るものも光らない。
出していろいろなものに触れ合わせることで、より輝いてくるものだと思う。
大事なのはリスクと対価を見る事。
命は守るものではなく、より磨いていくものだと思う。
人間も生き物なのだから生きていきたい、と自分の命を大事にするのは疑う余地がない。
そういう自然な流れを、命を大事にしすぎることで殻に籠り、日々人を恐れたり、環境に怯えたりする中で、忘れてきてしまっているような気がする。自分の生命を解放できたらどんなに楽だろうか。
自分の命よりも大事なものができたときに人は本当の幸せを掴むのだと私は思う。
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