ページ

Africa!

...

2014年6月28日土曜日

記憶の栞

べっこう飴の斜陽の中 花を拾った

爽やかなレモンを滲ませた白の

少しぽてっとした花 プルメリア

花びらは ひんやりとして 渦を巻いている

吸い込まれるように 鼻を近づけてみる

涼しげな そして甘い 懐かしい香り

いつしか私は 過ぎ去った時の どこか別の場所の

清涼な空気を吸っていた

一つの落ちた 花の記憶の中で



人の記憶って不思議だ。ちょっとした外的刺激でいつかの記憶を猛烈に呼び覚ますことがある。それは香りであったり、音楽であったり、視覚であったり。またはそれらの複合的な刺激だったり。
そういうふとした記憶との邂逅ができるのも三十年生きてきたからこそ。歳を重ねる喜びってのはそういうところにあるのかなぁと思う今日この頃。アフリカで嗅いだ香りも記憶の栞としていつか現れてくれるに違いない。

プルメリアは日本ではそんなにメジャーじゃないので、おそらく似た匂いを持ち、ひんやりとした時期に咲くソケイ(ジャスミン)やジンチョウゲのある風景を私に想起させたのじゃないかと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿