べっこう飴の斜陽の中 花を拾った
爽やかなレモンを滲ませた白の
少しぽてっとした花 プルメリア
花びらは ひんやりとして 渦を巻いている
吸い込まれるように 鼻を近づけてみる
涼しげな そして甘い 懐かしい香り
いつしか私は 過ぎ去った時の どこか別の場所の
清涼な空気を吸っていた
一つの落ちた 花の記憶の中で
人の記憶って不思議だ。ちょっとした外的刺激でいつかの記憶を猛烈に呼び覚ますことがある。それは香りであったり、音楽であったり、視覚であったり。またはそれらの複合的な刺激だったり。
そういうふとした記憶との邂逅ができるのも三十年生きてきたからこそ。歳を重ねる喜びってのはそういうところにあるのかなぁと思う今日この頃。アフリカで嗅いだ香りも記憶の栞としていつか現れてくれるに違いない。
プルメリアは日本ではそんなにメジャーじゃないので、おそらく似た匂いを持ち、ひんやりとした時期に咲くソケイ(ジャスミン)やジンチョウゲのある風景を私に想起させたのじゃないかと思う。
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